整っているのに使えない資料
AIに報告書を頼むと数分で見出しと表のそろった文書が返ってきます。ところが会議で使おうとすると何を決めればよいのかが読み取れません。手を入れているうちに最初から書いたほうが早かったと感じる。そうした声は少なくありません。
NSYでは原因が2つあると考えています。1つは読み手の判断に届く文がないこと。もう1つは元の資料にないことまでAIが書き足してしまうことです。
説明だけで終わって判断につながらない
資料の一文には深さの段階があります。「この表は月ごとの受注件数を示す」は説明です。表を見ればわかることで新しい情報はありません。「受注は3か月続けて減っている」と書けば事実は伝わりますが、どう受け取るかは読み手次第です。「だから来月の営業会議で既存のお客様への提案を優先するかを決めたい」まで書いて初めて読み手の判断につながります。
AIに丸投げした資料は説明の段階の文で終わりがちです。見分け方は簡単です。その文をよその会社の資料に貼り付けても通じるなら御社の論点には答えていません。
説明だけの資料を防ぐには書式を指示する前に読み手がいま何を判断しようとしているかを1行でAIに渡します。答えるべき問いを渡されなければAIは一般論で文書を埋めるしかないからです。
AIが資料にない内容まで書き足してしまう
もう1つの原因は書き足しです。書き方の手順を決めずにAIに業務文書を書かせると資料にないことまで書かれがちです。たとえば扱うファイルの大きさが書いてあるだけなのに上限の要件のように書き換えることがあります。資料にない識別番号を足し、後の説明までその番号を前提にしてしまうこともあります。長く参照する文書に進み具合のような作業中の情報が混ざることもあります。
読み手は決まったことと書き手が補ったことを見分けられません。企画書で言えばまだ話し合っていない予算や期限が決定事項のように並ぶのと同じです。
文書の種類ごとに書かないことを決める
防ぐにはまず文書の種類と読者を決めます。種類が決まれば書く情報を絞れます。社内の文書に置き換えると次のようになります。
- 報告書は事実・解釈・次に決めることを書き、担当者の作業の経過は書かない
- 企画書は目的・根拠・決めてほしいことを書き、決まっていない数字は未決として分ける
- 手順書は操作の手順と守り続ける条件を分け、条件に手順の番号を振らない
- 議事録は決まったことと持ち帰ったことを書き、発言の全文は残さない
AIへの依頼文にも「資料にないことは書き足さず、未決の項目に置く」と入れておきます。
文章で筋を確かめてから形にする
いきなり表やスライドの形で出させると人は見た目に目が行き、話の筋を確かめるのがおろそかになります。まず文章だけで結論・根拠・次の判断を出させ、筋が通っているかを人が確かめます。形にするのはそのあとです。最後は見出しだけを上から読み、見出しだけで話が通るかを確かめます。
NSYでは読み手と論点を決めるところと最後の確認は人が受け持ち、間の作文と整理をAIに任せる分け方をおすすめしています。ご相談いただく場合は御社の文書の種類ごとに依頼文の型をつくるところから一緒に進めます。



